糸井重里『インターネット的』

確かに糸井重里は言葉のセンスがある。でも、うーん、つまらん。「糸井重里は短ければ短いほど面白いんだ」という友人の言葉を思い出してしまうが、この言葉は本質を突いている。長くなればなるほど独特の文体がねちっこく(?)感じられるし、言ってることは大したことない。幻想を孕んだ目つきでインターネットを妙に持ち上げているように見えるのも気になる。

クールに分裂的に
役割は、点滅している

この2つの言葉がどのような文脈で使われたのかはあえて書かないが、何気にカッコイイ、というか目を引く。そういった点では確かに言葉プロだ。糸井重里は日本一のコピーライターにして、最も言葉に敏感な人の1人だと思う。それはもう、凄い才能だろう。だけど、本書のように長々と理屈を言わせたら途端に面白くなくなってしまうのも事実である。