中野民夫『ワークショップ』

何日か前に読了した『ファシリテーション革命』の著者の、第一作である。俺は『ファシリテーション革命』の感想で「ワークショップ」を「参加者が交流を図ったり議論を交わしたり学習したりする場」と便宜的に定義したが、本書では「ワークショップ」を「参加体験型グループ学習」「先生や講師から一方的に話を聞くのでなく、参加者が主体的に論議に参加したり、言葉だけでなくからだやこころを使って体験したり、相互に刺激しあい学びあう、グループによる学びと創造の方法」といった感じで定義しているので、あらかじめ付記しておきたい。

さて、ワークショップとは参加型・双方向型の学習スタイルのことだから、様々な領域で様々にワークショップは試みられている。本書ではワークショップの種類を「アート系」「まちづくり系」「社会変革系」「自然・環境系」「教育・学習系」「精神世界系」「統合系」の7つに分類している。おそらく「まちづくり系」が最も精力的にワークショップを試みているだろうが、本書では「精神世界系」を最も詳しく述べている。自己変革や癒しといった奴である。正直ちょっと胡散臭いので、やはり「まちづくり系」を詳しく紹介して欲しかったところだ。個人的には「教育・学習系」「社会変革系」のワークショップも非常に興味深いが。

少し掘り下げが足りないとは思うが、ワークショップについての基本的なことを知ろうと思うならば、本書は絶対に外せないだろう。最近けっこう注目されている「ワークショップ」についての基本書と言えると思う。