暉峻淑子『豊かさとは何か』

社会科学・人文科学の基本書。日本はモノとしては豊かになったが、「本当の豊かさ」を達成できているわけではない。もっと心の豊かさを追求しよう――といったアウトライン。久々に読み返したが、今となっては正論すぎて手垢の付いた議論だし、まあ良くも悪くもシンプルな議論だと思った。ただ中高生あたりに読ませてみたいとは思う。非常に読みやすいし、本書は、文献としてもロジックとしても、受験国語の基本だ。ちなみに「てるおかいつこ」と読む。