マーク・ピーターセン『英語の壁』

「外国語」として日本語をたしなむアメリカ人の著者による、英語や日本語の言葉遣いにまつわる社会派エッセイ――とすれば良いだろうか。映画の話や和英辞典の話・ブッシュの妄言に関する話など、エッセイとしては非常に良質。巻末にはインターネットのソースと英語に関するエッセイもある。しかも日本文学研究者だけに日本語も巧く、古典への造詣も深い。ただ、さすがにこれは「タイトルに偽りアリ」でしょう。編集者はもっと内容を反映したタイトルにした方が良いんじゃないだろうか。アマゾンで評判をチェックしてみたが、やはり英語に関するテクニカルな本だと思って買った人が大半で、かなりけなされていた。エッセイとして読んだら面白いだけに、本当に勿体ない。