P.F.ドラッカー『変革の哲学――変化を日常とする』

ドラッカー名言集の1冊だが、強度の高い言葉が並ぶこともあり、連続で読んでいると、さすがに感覚が麻痺してくる。ただ、良書であれば、そうした中でも心を深く捉える言葉や思わず説得される言葉は見つかるものだ。

哲学と世界観が変化する
今起こっていることは、たんなる経済の変化ではない。技術の変化でもない。人口構造の変化であり、政治の変化であり、社会の変化である。哲学の変化であり、何にもまして世界観の変化である。

未来は今日つくるもの
未来は明日つくるものではない。今日つくるものである。今日の仕事との関係のもとに行なう意思決定と行動によって、今日つくるものである。逆に、明日をつくるために行なうことが、直接、今日に影響を及ぼす。

ビジョンには勇気が必要
未来に何かを起こすには、勇気を必要とする。努力を必要とする。信念を必要とする。その場しのぎの仕事に身をまかせていたのでは、未来はつくれない。未来にかかわるビジョンのうち必ず失敗するものは、確実なもの、リスクのないもの、失敗しようのないものである。

もはや解説は無粋かもしれない。俺と同じ言葉に惹かれるとは限らないが、丹念に読めば、1つくらいは心を深く捉える言葉が見つかるのではないかと思う。オススメ。