伊藤穰一＋デヴィッド・L・シフリー＋デジタルガレージグループ『革命メディア ブログの正体』

革命メディア ブログの正体

伊藤穰一のキャリアは相当スゴい。米国の大学でコンピュータサイエンスと物理学を修め、帰国後はネットベンチャーの雄・デジタルガレージを含む幾つかの会社を設立し、インフォシークの日本導入に参画。政府顧問を頻繁に務めるなどIT産業に関する長期に渡る貢献が認められて郵政大臣賞を受賞。現在は、カカクコムやブログ検索のテクノラティ・ジャパンなど10数社を傘下に持つデジタルガレージの顧問にして、ベンチャーキャピタルのネオテニーCEO、シックスアパート会長、さらには古今東西さまざまな企業や団体の経営・運営に参画――とまあ、何だか自分が哀しくなってくるくらい光り輝くキャリアである。おまけに3歳の頃に両親と渡米しているから、バイリンガルにしてバイカルチャー。以前からデジタルガレージのサイトは頻繁に見ていたが、いやあ、ここまでの人が創業したとは知らなかった。スゴい人っているもんだ。
まさにネットビジネス業界の重鎮とも呼べる人であり、こういった人がブログの登場から日本への浸透までわかりやすく説明すると、やっぱり細部のリアリティが増す。深みは足りないが、非常にわかりやすいし、説得力もある。例えば、テクノラティ・ジャパンだけでなく最近は各社がこぞって提供するブログ検索について、最初は俺も「ブログ検索よりウェブ検索の方がカバー範囲も広いしエエんちゃうか」と懐疑的だった1人だったが、本書を読んで、確かにブログ検索には一定の価値があるし、もっと使いこなしてみたい、と認めざるを得なくなった。