日経STOCKリーグ編『経済が楽しくなる本』

絵でみて入門!経済が楽しくなる本

絵でみて入門!経済が楽しくなる本

本書は経済の入門書。「man@bow(学ぼう)」という経済学習サイトを元に制作されたようだ。経済の仕組みに興味を持った「まな坊」と「まな子」が、「ストック博士」に連れられて2025年から2002年にタイムスリップして、2002年の世界を見ながら経済の本質を理解しようとする――といったアウトラインである。

社会生活をおくるうえで避けて通れない経済の知識を、すべて「絵」に描いて提供すれば、むずかしさの度合いをうんと減らせるのではないか。この本はそんな意図から誕生しました。

引用した「はじめに」に書いてあるように、本書はとにかく絵が多く、経済に馴染みのない人でも視覚から理解できるように配慮されている。帯で「世界一わかりやすい」と宣言しているが、それも納得できる親切さだ。ただ俺が最も良いなあと思えることは、「絵が多いこと」ではない。本書が、まな坊とまな子の「疑問」や「興味」を下敷きにしながら、物語として本書が展開していくことだ。知識の羅列ではなく、物語として見せることで、経済を身近に感じさせることに成功している。