『巌窟王』5巻

巌窟王 第5巻 [DVD]

アレクサンドル・デュマの小説『モンテ・クリスト伯』を原作とする深夜アニメ。元々は『モンテ・クリスト伯』をモチーフとするSF小説『虎よ、虎よ』をアニメ化しようとしていたそうだが、著作権の関係で実現せず、『モンテ・クリスト伯』をアニメ化したらしい。そのためか、細部まで原作に忠実にアニメ化しているわけではない。19世紀のパリではなく幻想的な未来のパリが舞台である点、復讐する側ではなく復讐される側の子どもたちの視点から話を構成している点など、原作を活かしつつも（かなり）大胆な構成の組み換えが行われている。俺は（あまりの長さに）原作は途中で挫折したが、原作とはまた異なった彩りが本作にはあると思われる。
DVD第5巻には以下のエピソードを収録している。

第九幕「闇色の夢を見た」
第十幕「エドモンからの手紙」

貴族は愛の無い結婚をすると言われ、両親の愛を信じるあまり激怒して決闘したことのあるアルベールも、今の平和で豊かな生活が奇麗事だけで成り立っているわけではないことを、薄々ながらも感じ始める。両親の態度に疑念を抱いて、いそいそと出かけた父の後をつけるのである。血なまぐさい現実が顔を出すのは、もうすぐだろう。緊張感があって実に面白いアニメーションだ。