徳力基彦『デジタル・ワークスタイル』

デジタル・ワークスタイル―小さなことから革命を起こす仕事術

デジタル・ワークスタイル―小さなことから革命を起こす仕事術

アルファブロガー』の共著などで知られる徳力基彦による単著。俺はついついライフハックだのデジタルハックだの仕事術だのといった本や雑誌を手に取ってしまうが、その感想はいつも同じで、「どの本も似たようなことしか書いてないなー」というものである。本書も例外ではない。David Allen(デビッド・アレン)のGTD(Getting Things Done)が紹介され、Gmailやメールの振り分け(正確には過度な振り分けを批判する)が述べられ、カレンダーやToDoリスト、ブログ、RSSリーダーソーシャルブックマークタブブラウザ……はぁ。
ただ本書はひとつひとつに無駄がなく、「それは違うだろう」というものがほとんどない。またカレンダーとToDoリストの使い分けなど、改めて言われると「なるほど」と思うような箇所もいくつかある。また「情報発信というのは、自分の情報を失う作業ではないのだ」という著者の考え方にも共感できるものがある。個人的には、この種の本の中では良い本だと思う。
ところで本書で紹介されているツールの中で気に入ったのは「あとで読む」というサービス。俺はRSSリーダーソーシャルブックマークの類は使っておらず(ただし「はてなアンテナ」を使って更新チェックはしている)、ニュースの効率的な発見や管理はできていない。Googleニュースをチェックして気になるニュースをブックマークしている現状だが、ニュースサイトのニュースは、しばらくしたら消されることがあり、ブックマークしておいたのに消されて非常にムカついたということが何度もある。また管理も煩雑だ。その点「あとで読む」は、今チェックしているサイトの「今の状態」をそのままキャッシュしてメールアドレスに送ってくれる。単純な画像保存とは異なりテキストの範囲選択&コピーも可能。これをGmailのアーカイブに放り込めば、検索も楽々。これは良いね。早速使っている。