山本英夫『ホムンクルス』1巻

ホムンクルス 1 (BIG SPIRITS COMICS)

ホムンクルス 1 (BIG SPIRITS COMICS)

過剰な行動や性癖を描かせたら天下一品の山本英夫による最新作。今回の主人公・名越はホームレス。元エリートサラリーマンだったようだが、今は「常識人の集う一流ホテル」と「ホームレスの集まる公園」の間の道路に車を停めて暮らしている。ある夜、いかにも怪しげな男・伊藤が現れ、70万円で頭蓋骨に穴を開けさせてくれと囁きかける――というプロローグ。
この頭蓋骨に穴を開けるというのはトレパネーションと言うらしく、作品中の解説(設定?)によると、トレパネーションによって幻覚が見えたり超能力が身についたりする人がいるらしい。伊藤は、それを試してみたいのだ。
もっとも伊藤はオカルトの類を本気で信じているわけではなく、そんなものは存在しないと自信を持って言いたいがために、このトレパネーション手術をやろうとするのである。結局、色々あって名越は手術を受けることになるが、伊藤の狙いに反して、名越は不思議な光景を目にするようになるところで1巻が終わる。かなり強いヒキです! 何回読んでも続きが気になる。