飛浩隆『象られた力』

象られた力 kaleidscape (ハヤカワ文庫 JA)

象られた力 kaleidscape (ハヤカワ文庫 JA)

『SFが読みたい!』で紹介されていた本。
『グラン・ヴァカンス 廃園の天使1』を読んで本書も手に取ってみたのだが――凄いねこれは。表題作と「デュオ」が特に面白い。どんどん出してほしいのだが、飛浩隆は極めて寡作な作家のようで、1982年にデビューしているのに、これまでに出している本は、本書を除くと、読了済の『グラン・ヴァカンス 廃園の天使1』と未読の『ラギッド・ガール 廃園の天使2』しかない。どうやら10年ほど作家活動を中止していたようだが、それを抜きにしても発表スピードは遅いと言えるだろう。著者のブログに「パートタイムSF小説家」と書いているから、本職は別にあるのだろう。