田中ユタカ『ミミア姫』1巻

「天国」を思わせる世界で繰り広げられるファンタジー。登場人物たちは頭の輪っかこそないものの、全員が光の羽根を持ち、未来を予知することができる、まさに「天使」を思わせる設定である。しかし主人公(ミミア)だけは、光の羽根を持たず、未来を予知することもできず、また他の人々がミミアの未来も予知することができない。俺ら読者からすれば、ごく真っ当な人間なのだが、この作品の中では極めて特別な存在であり、「神さまの子」と呼ばれている――という設定であろうか。細かい設定はよくわからない点もあるが、とにかくあたたかい作品。