遠藤達哉『SPY×FAMILY』6巻

いま最も面白く、また完成度の高い漫画。

父(ロイド)はスパイ、妻(ヨル)は殺し屋、娘(アーニャ)はテレパシーの超能力者、ペットの犬(ボンド)は未来予知能力犬(喋れないからアーニャだけ察することが可能)、ヨルの弟(ユーリ)は国家保安局少尉(秘密警察的なアレ)と、全員が裏の顔を持ちながら、目的のためにかりそめの家族を作っていく漫画である。まあ犬は裏の顔というのとは微妙に違うし、ユーリも厳密には家族ではなく親族になるが、それはそれとして、それぞれの狙いや、表と裏の顔が絶妙に交錯して、毎度めちゃくちゃ面白くなっている。

6巻ではロイドに横恋慕(と言って良いのか?)する部下(フィオナ)が登場するのだが、これがまた絶妙なサイコパス感があって面白い。フィオナもロイドへの恋心を隠すという意味では広義の裏の顔を持っている。

一応Wikipediaの引用も貼っておく。

東西の間に鉄のカーテンが下りて十余年、隣り合う東国(オスタニア)と西国(ウェスタリス)の間には仮初の平和が成り立っていた。

西国から東国に送られた凄腕スパイ・黄昏(たそがれ)は、東国の政治家ドノバン・デズモンドと接触するため、偽装家族を作ってデズモンドの息子が通う名門イーデン校に養子を入学させる任務オペレーション〈梟〉(ストリクス)を命じられる。黄昏は精神科医ロイド・フォージャーを名乗り、養子を探して訪れた孤児院で他人の心を読める少女アーニャと出会う。その場でアーニャが難しいクロスワードパズルを解いた(実際には、ロイドの心を読んでカンニングした)ため、難関イーデン校に合格できると考えたロイドは彼女を養子にする。実はそれほど賢くないアーニャにロイドは四苦八苦させられるが、なんとか筆記試験に合格。しかし次の面接試験に「両親」揃って来るよう指示されたため、ロイドは急いで妻役の女性を探すことになる。

その矢先、二人はヨル・ブライアという女性と出会う。彼女は公務員をする傍らいばら姫のコードネームで密かに殺し屋をしていたが、婚期の遅れを周囲に揶揄され、他人の注目を避けるために形式上の恋人を探していた。心を読む能力によってヨルが殺し屋であることを知ったアーニャは、好奇心からヨルが母親になってくれるよう仕向ける。恋人役を探していたヨルと、妻役を捜していたロイド、そして「わくわく」を求めるアーニャの利害が一致し、3人は互いに素性を隠しつつ、即席の家族としての生活をスタートさせる。

毎度こう書くしかないのだが、とにかく続きが楽しみ。