筒井康隆『旅のラゴス』

旅のラゴス (新潮文庫)

旅のラゴス (新潮文庫)

ラゴスという男の生き様を追いかけたSF・ファンタジー風味の本。本書は「塩と米」のブログを書いている俺の戦友に紹介してもらったのだが、とにかく面白すぎて3回も読んでしまった。
個人的には、読みながら、否応なくポール・オースター『ミスター・ヴァーティゴ』を連想した。あまり似ていないようにも思うが、どちらも男性主人公の生き様を追いかけた本であり、若い頃から年寄りになるまで主人公を描いた時代が幅広く、ささやかな達成と多くの挫折や苦悩が静かな筆致で(しかし叙情的に)描かれている。