小川一水『導きの星2 争いの地平』

導きの星〈2〉争いの地平 (ハルキ文庫―ヌーヴェルSFシリーズ)

導きの星〈2〉争いの地平 (ハルキ文庫―ヌーヴェルSFシリーズ)

地球のみが他の文明と接触できる高度な文明だったことが判明する遠未来で、シビリゼーション・オブザーバー(外文明観察官)に就任した辻本司(ツカサ)が、惑星オセアノに住む「リス」的な肉食の知的生命体であるスワリスとヒキュリジの発展を見守る――という設定のSF長編。第2巻となる本書では、宗教の発生と、天文学に代表される近代科学の勃興が描かれている。
「外文明の発展を見守り、正しい方向に導く」というシビリゼーション・オブザーバーの業務内容を見たときに、俺は『シムシティー』『シムアース』『シヴィライゼーション』などに代表される箱庭ゲームを連想したが、主人公たちがやっていることは実際その通りである。主人公のベタな行動にはイラッとさせられることもあるが、それも含めての面白さがある。
導きの星〈1〉目覚めの大地 (ハルキ文庫―ヌーヴェルSFシリーズ)  導きの星〈2〉争いの地平 (ハルキ文庫―ヌーヴェルSFシリーズ)  導きの星〈3〉災いの空 (ハルキ文庫―ヌーヴェルSFシリーズ)  導きの星〈4〉出会いの銀河 (ハルキ文庫―ヌーヴェルSFシリーズ)