高橋浩一『問題発見力養成講座』

レバレッジ・ポイントを見つけ出せ! 問題発見力養成講座 “木を見て森も見る”システム・シンキング

レバレッジ・ポイントを見つけ出せ! 問題発見力養成講座 “木を見て森も見る”システム・シンキング

因果関係を「直線」ではなく「ループ」と捉えるというコンセプトの問題解決本。
ただひとつの“本質的な問題”という奴を見つけるというコンサルタント的アプローチは、かっこいいしわかりやすいけれども、実際には「そう簡単なものじゃないよ」と思うことが正直に言うとけっこう多い。その理由は、まさに問題が「ループ」になっているからである。
以前、田坂広志『なぜマネジメントが壁に突き当たるのか』の示唆を以下のようにまとめたことがあるが、本書の「ループ」という発想は、田坂広志が言う「循環構造」と似ているかもしれない。

「問題分析」→「原因究明」→「原因除去」→「問題解決」という直線的な思考には限界がある。なぜなら、企業における問題は「直線構造」ではなく「循環構造」だからである。問題解決思考が、(逆説的に)真の問題解決を妨げている。

因果関係ループというコンセプトを使いこなすための記述が、かなり丁寧に書かれているので、興味のある方はぜひ一読されたし。