日本オラクル+IFRSシステム研究会『IFRSシステム対応の実務』

IFRSシステム対応の実務 最適なソリューションがわかる

IFRSシステム対応の実務 最適なソリューションがわかる

システム面からIFRS対応についてアプローチした本。
日本のIFRS強制適用については皆それぞれ考え方を持っていることと思うが、そもそも会計方針というのは常に変更を続けており、IFRSもその一環に過ぎない、というのが俺の考え方である。
ではIFRSの場合は何が問題だったかというと、多くの変更が一度に押し寄せてくるため、企業内部のリソースでは(とてもじゃないが)対応できないことにあった。つまり、コンサルやITベンダーが「IFRS祭り」を盛り上げていたという指摘は、間違っているとは言えないが、「IFRS祭り」それ自体の原因をコンサルやITベンダーに押し付けるのは間違いだと思う。少しずつの変更や小さな変更であれば、通常、企業の経理部とシステム部あたりが内部的に処理していたはずで、一度に多くの、そして大きな会計方針の変更要求に対応できない企業リソースが「IFRS祭り」の原因である。ただ、この「IFRS祭り」に対応できるような余剰リソースを抱えている企業というのも、それはそれで問題なわけで……と考えると、痛し痒しですね。