石川雅之『もやしもん』12巻

もやしもん(12) (イブニングKC)

もやしもん(12) (イブニングKC)

もやしもん(1) (イブニングKC) もやしもん(2) (イブニングKC) もやしもん(3) (イブニングKC) もやしもん(4) (イブニングKC) もやしもん(5) (イブニングKC) もやしもん(6) (イブニングKC)
もやしもん(7) (イブニングKC) もやしもん(8) (イブニングKC) もやしもん(9) (イブニングKC) もやしもん(10) (イブニングKC) もやしもん(11) (イブニングKC) もやしもん(12) (イブニングKC)
「菌が肉眼で見える(しかもキャラとして見える)」という特殊能力を持った主人公が、農大に入って様々な経験を積むという物語。安定して面白いのだが、この漫画の特筆すべきところは、主人公が自分の特殊な能力をほとんど活かしていない点である。冷静に考えたら「菌が見えても活かすところは少ないよなあ」とか思ってしまうのだが、漫画的には……いや創作的には、こうした能力を活かす方向に話を組み立てるのが普通だと思う。しかし、そうしない。それどころか、周囲の大人や先輩たちは(下らない悪だくみに巻き込むことはあっても)主人公を普通の青年として扱い、菌の力を発揮させないようにしているとすら見える。ここが面白い。
飄々とした独特のノリなので、読み手は選ぶかもしれないが、名作。