石田徳幸+胡桃+須田卓馬+RV車+waragai kate『デジカメ写真の構図が上手くなる見本帳』

デジカメ写真の構図が上手くなる見本帳

デジカメ写真の構図が上手くなる見本帳

写真の技術・技法に興味が沸き、買ってみた。女性の写真を巧く撮るにはこう、動物の写真はこう、ローアングルで取ったらこんな効果がある……といった感じで、条件別に巧く撮るコツが解説されている。
良く言えば、この被写体を巧く撮るには……と、本書を「逆引き」的に使うことができるだろう。頭を使うことなく、まるで学校のお勉強のように「正解」がある世界である。
悪く言えば、読んでいても非常に対症療法的に感じ、納得感を得られない。例えば、女性の写真を撮る時にはS字の構図が良いとか書いてあるけれど、「そんな単純なものでもないだろう」というのがまずある。それに仮にS字を是としたところで、今後ずっとS字の構図の写真を撮り続けても全く面白くないだろうから、結局いずれはあえてS字の構図を崩して写真を撮ることになる。で、今度は、そのときどういう発想で崩すと良い写真・面白い写真を撮れるか、ということが本書では全然わからない。まあ自分で考えろということに尽きるのだろうが、それなら本書の価値は何だろう? 使いどころが難しいなぁと思うが、本屋で見た限り、本書に限らず巷の写真の技術・技法に関する本には、この手のアプローチが凄く多いように感じる。