ウイリス・タワーズワトソン『M&Aシナジーを実現するPMI』

M&Aシナジーを実現するPMI

M&Aシナジーを実現するPMI

組織・人事領域のトップファームであるウイリス・タワーズワトソンによる組織・人事領域のPMI本。PMIとはPost Merger Integrationの略で、要はM&A後の統合プロセスのことを指す。会社とは単に法律的に一緒になるだけではなく、業務プロセスや各種ITシステム・意識面での統合を果たしてこそ、シナジーが得られ、真の効果を得られると言われている。その意味では、スムーズに合併・買収を済ませることの重要性もさることながら、M&A後のプロセスも極めて重要なのである。本書はこの手の本にしてはやや薄いが、内容はみっちり詰まっていて、組織・人事領域のPMIについて概観するにはまず十分と言って良い。

余談1

PMIというと、Project Management Instituteを思い浮かべる方もいるだろうが、全然別物。こちらはプロジェクトマネジメント協会という固有名詞である。

余談2

組織・人事領域のトップファームであるワトソンワイアットと、経営者報酬制度構築などに強みを持つタワーズペリンが合併してタワーズワトソンが産まれたのが数年前。最近また保険系のウイリスと合併して、ウイリス・タワーズワトソン社になった模様。コンサルティングファームの再編の流れは最近けっこう凄いなあ。というかワイアットさんとペリンさんの名前がドサクサ紛れで消えてしまったが、この手の名前が残るか消えるかというのは、どうやって決まっているんだろう。八千代銀行が東京都民銀行と新銀行東京を合併してブランドを一新し「きらぼし銀行」になるというのは、ある意味わかりやすいんだが。