山根節『経営の大局をつかむ会計 健全な“ドンブリ勘定”のすすめ』

経営の大局をつかむ会計 健全な”ドンブリ勘定”のすすめ (光文社新書)

経営の大局をつかむ会計 健全な”ドンブリ勘定”のすすめ (光文社新書)

以前から何度も読んでおり、記録もつけていたと思っていたのだが、どうやらつけていないようなので改めて読了。もちろん良書であることに変わりはないのだが、今回久しぶりに手にするに際して「今後、何十回と読み返す価値があるか?」という観点で読んでみたところ、何となく古さが目立つなあ。まあ実際の企業の財務諸表を題材にするというテーマだから余計にそう感じるのかもしれないが、本書で「財務諸表を見るとこの企業は要注目」と紹介された企業が、本書の書かれた数年後に潰れているなんて事例が幾つもある。

もっとも、後出しじゃんけんで批評するのはアンフェアかもしれない。経営環境の変化は財務諸表から読み取れないからだ。実際『エクセレント・カンパニー』や『ビジョナリー・カンパニー』で「エクセレントな企業」および「ビジョナリーな企業」として紹介された企業のうち、現在も生き残っている企業なんてごく僅かだ。