冷泉彰彦『予言するアメリカ 事件と映画に見る超大国の未来』

予言するアメリカ 事件と映画にみる超大国の未来 (朝日新書)

予言するアメリカ 事件と映画にみる超大国の未来 (朝日新書)

なぜ映画をベースに批評するのか。

鏡も何も、現実そのものが映画より馬鹿げていて、現実そのものを分析すれば事足りるわけなのに。

ただし、この人は共和党的な考え方と民主党的な考え方をきちんと理解していて、かつ読者にしっかりと説明しようとしている。この二大政党制の考え方がわからないと、アメリカ社会の分析は全て的外れなものになってしまうと思う。その意味では、映画論的なアプローチな若干気に入らないものの、この著者は依然として一般ピーポーには極めて有益な書き手であり、本書も相対的にはアメリカすなわち国際動向を理解するのに重要な本だと言って良い。