
- 作者: 川上未映子,村上春樹
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2017/04/27
- メディア: Kindle版
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わたしにとってのポイント(興味深かった点)は4つ。
- 本当か嘘かわからないが、村上春樹は過去の本でも語っているとおり、いわゆる文学理論みたいなものはほとんど使わずに物語を書いている。
- これも本当か嘘かわからないが、村上春樹は過去の本の内容を病的なほどに忘れているというのが過去の対談集などでは明らかなのだが、本書でもやはり異常なほど過去の作品のことを覚えていない。というか、『騎士団長殺し』の秋川まりえの名前すら覚えていなかった。
- 過去の対談集だか何だかでも出てきたのだが、村上春樹は徹底的に「文体」にフォーカスする作家である。そして本書でも村上春樹は文体の重要性を繰り返し語っている。そして興味深いことに、川上未映子も文体に意識的な作家なのだが、『乳と卵』があまりにも文体で騒がれた、しかもそれが女性の身体性から出て来た文体であることを強調されすぎて、次作の『ヘブン』では文体を変更したらしい。なお村上春樹は、『乳と卵』は文体しか語るところがない、しかしそれは素晴らしい達成だと評している。
- 川上未映子はフェミニストである。少なくともそう自称した。