ピョートル・フェリクス・グジバチ『世界最高のチーム グーグル流「最少の人数」で「最大の成果」を生み出す方法』

元Google社員。「はじめに」で日本のことを書いていたから「日本特別編集なのかな」と思っていたのだが、著者は日本で18年働いているらしく、本書も著者が日本語で書いている。Googleが「チーム」をテーマに研究・調査を進めたという話は昨日も書いたが、ちょうどその時期にGoogleで働いている。今は起業して日本で2社を経営しており、より俯瞰した立場から、チームパフォーマンスを最大化させるための方法について解説している。

同僚との「価値観ベースの雑談」がチームパフォーマンスに寄与するという話などは、なるほどと考えさせられた。雑談は本来、仕事そのものを推進させるわけではない。しかし相互信頼は、必ずしも相手が優秀だからではなく、相手の性格や価値観といった人となりに踏み込んだ理解があって、遠慮なく任せることができるようになる側面があると思う。

また、ちょっと歩きながらの1分やそこらでコーチングする事例なんかもあり、これも非常に参考になった。コーチングってどうも硬い感じでやりがちだから。

ただ、ちょっと、というか凄く気になったのは、世のマネージャーに会社が上手く行かない原因の全てを押し付けているように見えることだ。日本のマネージャーがダメだという主旨の主張は10回以上もあるし、40代男性ということだけで批判している箇所も数ヶ所あった。わたしも40代に足を踏み入れたが(40歳)、そもそも41歳男性と言っても多様だ。年齢や性別だけで固定的に批判し、女性や若手と言うだけで手放しで褒めちぎるのも、正直どうかと思う。