行本昌弘『老廃物を流す「官足法」で治る!』

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最近、「足裏」「足指(趾)」って重要だよなあと。

二足歩行化した人間が唯一地面と接している箇所であり、しかも野生動物と違って靴で守られている。先日とあるYouTube動画を見て気付かされたが、わたしを含む多くの方は、足裏や足指への刺激が乏しく、弱くなっており、しっかり地面を噛んで踏ん張ったり、アーチで支えたりできていない。

ということで(以前より足袋型ソックスを履いたりしていたのだが)五本指ソックスを履くようになった。

それどころか(以前より足袋型シューズを履いたりしていたのだが)五本指シューズも履くようになった。ビブラムね。

そんな中、足裏マッサージも前から好きでたまに通っていたのだが、最近は足裏マッサージに通う頻度が増えてきたのと、足裏・足つぼ・足底と言い方は何でも良いが、とにかく足裏だけでなくふくらはぎや膝裏の凝りや固さ・痛みが凄く気になってきた。事実として凝りや固さ・揉まれた時の痛みがあるのだが、この際、徹底的に揉み尽くしたらどうなるんだろう?とか思って調べると、何と35年も前にそのようなアプローチを採る「官足法」という健康法がブームになっていたそうだ。

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上記のサイトにも詳しく書かれているが、まず官足法とは、官有謀という方が生み出したアプローチで、すごく色々なことをシンプルに語ると、10歳なら1ヶ月、40歳なら4ヶ月ひたすら足裏からくるぶし・ふくはらぎ・膝裏までを強くもみほぐすことで、老廃物が流れて(ないし老廃物を流すポンプ機能が復活して)健康になりますよという健康法である。官有謀による書籍もあり、『足の汚れが万病の原因だった』という本は何と35年かけて180万部も売れているそうだ。ただ、『足の汚れが万病の原因だった』は古い本でKindleがないため、代わりにと言ってはアレだが、本書を読んでみた次第。本書の著者(行本昌弘)は、官足法の創始者である官有謀の本を出版した出版会社の社長であり、お弟子さんとしても一番弟子っぽい雰囲気がある。

官足法についてもう少し整理しておきたい。

足を揉む健康法について古今東西を見回してみると、そもそも足もみ健康法自体は洋の東西を問わず民間療法として存在するようだ。フットリフレクソロジーには台湾式・中国式・英国式などと呼ばれる流派のようなものがあるらしい。フットリフレクソロジーとは「胃が痛いときはココが痛くなるので揉むと良くなる」「背中が痛いときは…」「腎臓が…」と症状に応じて足裏の反射区に老廃物が溜まったり凝り固まったりして痛みが症状として発生するため、そこを揉みほぐして老廃物を流すと良いという方法論である。個人的にも、体調として良くないところと痛いところは符合するため、一定の関係性はあると思う。しかし著者が指摘しているように、そう考えるとフットリフレクソロジーは対症療法なのである。やらないよりはやった方が良いが、痛いところを押して胃の痛みが改善したところで、胃の痛みの原因は治らない。

一方、官足法の特徴としては、足裏反射区にだけ着目するのではなく、足全体の「血行」を何より最重要視している。官足法は足裏反射区にとどまらず、足裏全体、ひいてはふくらはぎ・くるぶし・膝裏まで徹底的に揉みほぐして第二の心臓と呼ばれるふくはらぎのポンプ機能を立て直し、血流を良くすることで老廃物を流していく。そのためには、いわゆるリラクゼーション的な足もみではなく、老廃物を徹底的に流すために、かなり強く揉み潰すことが必要で、最初は激痛を伴うらしい。しかしやっていくうちに足裏はほぐれて赤ん坊のように柔らかくなり、血流・血行が改善することで体調が悪くなりづらくなり、また今の体調不良も対症療法ではなく根本的に改善され、健康になるだろうというのが基本思想である。

最後に、本を見ながら実際にふくらはぎを揉んでみたのだが、なるほど、これは飛び上がるほど痛い。Dr.ストレッチに通っているときもふくらはぎは固いなぁと思っていたが、自分でやってもかなり痛い。足裏は、まだツボや反射区を的確に捉えられていないのか「ほどほど」って感じの痛みかな。プロに施術してもらった方がはるかに痛い。だが、やっていくことで効果が何となく見込めるような気がしたので、適度に取捨選択しながら足もみはしつこくやっていこうと思う。半年後、乞うご期待。

けど、文章中心で、実技書・実用書としては若干物足りない。セミナーなどを受けてくれということなのだろうが、もう少し詳しく、また丁寧に書かれている本があると良いんだけどなあ。