デーヴィッド・マークス『AMETORA 日本がアメリカンスタイルを救った物語 日本人はどのようにメンズファッション文化を創造したのか?』

アメリカンファッションが日本でどのように受け入れられ、再解釈され、再創出されたのかを、外国人が著しているという好著。

VANやアイビーファッションを生み出した石津謙介・くろすとしゆき(わたしはVANをアメリカのブランドだと思っていた)、みゆき族、ヤンキー文化やロカビリーファッション、ビームス、ポパイ、Boon、藤原ヒロシ、ア・ベイシング・エイプのNIGO(まさか藤原ヒロシ2号から生まれたニックネームだとは思っていなかった。確かに昔々Boonとかで藤原ヒロシ2号という表記を見たことはあったのだが)などなど、前半は世代的にほぼ知らない話だが、後半は1978年生まれとして実に興味深く読んだ。断片的にしか知らなかった知識が繋がって、物凄い快感である。

あとレプリカデニムブームについての記述があるのも良い。Evisの山根英彦、フルカウントの辻田幹晴、ステュディオ・ダ・ルチザンの田垣繁晴、ドゥニームの林芳亨、ウエアハウスの塩谷健一・康二が互いに緊密な繋がりを持っていたことも初めて知った。そう言われると山根さんも林さんもコテコテの関西弁だし、ダルチザンやフルカウントもわたしが10代の頃に確かアメ村の直営店でデニムを買ったんだよな。くっそ懐かしい。何となくフルカウントとかは東京のブランドだと思い込んでた。