『リデンプション・リーパーズ』@Switch

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シミュレーションRPGやタクティクスRPG・タクティカルRPGなどと呼ばれるジャンル。ファイアーエムブレムやタクティクスオウガと言えばわかりやすいだろう。

ファイアーエムブレムのような多彩なユニットや地形効果はなく、プレイアブルキャラクターも5名しかいない。しかし敵は後半になると50名近くになることもザラで、しかも1対1だと(敵にもよるが)雑魚でも結構互角、あるいは力負けするような感じで、考えなしに戦いを挑むとアッサリやられてしまう。連携や追撃、一人ひとりのスキルを活かして慎重に戦わなければ生き残っていけない。また後述するストーリーとも関係するのだろうが、物資は非常に不足しており、武器には耐久度が設定されているが、新しく買うよりも修理費の方が高く(厳しい情勢なのはわかるけど商人は足元見てるねえ)、新品は在庫がほとんどなく、修理費を賄えるほどのカネもない。敵は強いので極力強い武器を使っていきたいのだが、戦況に応じて弱い武器も使ったりしながらだましだまし・・・・・・戦わねばならない。けっこう難易度の高いゲームである。

ストーリーも非常にシリアスだ。中性ヨーロッパを思わせる世界観だが、モースという謎の怪物たちが突如現れて人々を蹂躙し、多くの国々が滅亡している。そしてモースの蹂躙は日々苛烈さを増している。そのような中、数年前の悪行が祟って「忘恩の死神」として忌み嫌われた傭兵団の「灰鷹旅団」が、局地的ながらモースに立ち向かえる勢力として、残り少ない人類の希望になりつつある――という設定。ただ、旅団はあくまでも少数精鋭で、狡猾でゲリラ的な戦術を駆使して今のところ何とかモースを倒しているが、軍勢の規模はモースに遥かに劣っている。旅団は、ピンポイントで拠点を奪ったり守ったりしながら、わずかに残ったモースと戦える地域の諸侯と連携を模索したり、避難民を逃そうと奮闘している。

フルボイスだが、声優陣はなかなか豪華で、わたしでも知っているレベルの声優が何人も入っているし、またどのキャラクターも声質がめちゃくちゃ合っている・・・・・。わたしは特にルグというキャラクターがお気に入りなのだが、ルグは他人や世間の悪意に晒され続け、地べたを這いずり回って生きてきたことで他人を簡単に信じられない厄介な性格になってしまっている。それは仲間に対しても同様で、仲間に対しても憎まれ口を叩くことしかできない。しかし彼の行動は必ずしも冷たいだけのそれではなく、モースを心底憎み、決して打たれ強いタイプではないのに仲間が狙われぬよう単独行動をしていくのである。こうした「悪い」だけではない繊細さと深さのあるキャラクターの声を、津田健次郎という声優が当てているのだが、これがもう最高に痺れる。

ラストは――いや語るまい。こういう結末しかなかったのだろう。クリアした人とは是非語りたいなあ。

とりあえずSRPG好きはやって損なしの大傑作ゲームだと思う。

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