葦原大介『ワールドトリガー』25巻

体調を悪化させて休載して以降、週刊少年ジャンプから月刊誌のジャンプスクエアで連載している作品。

相変わらずめちゃくちゃ面白い。面白いんだけど、正直、あまりにも進みが遅い。これずっと続けてたら加齢に伴い更に執筆ペースも落ちるし、真面目に死ぬまで完結しない作品ってことになるんじゃないかな。

細かいところを丁寧に描写するのがウリではあるんだが、これを「面白いです!どんなに遅くとも描いてくれるだけで十分です!漫画家先生応援してます!頑張ってください!」の全肯定で済ますのは、ちょっと違う気もする。

さて、若干ネタバレになるが、本作は今、ネイバー遠征のための適性試験中で、戦闘シミュレーション演習(ファイアーエムブレム的なユニット配置型のシミュレーションゲーム)に主要キャラがこぞって取組中という段階である。そして本巻の最後で主人公(三雲)はチームリーダー(諏訪)から「勝てるネタを探せ」と言われている。これ何だろうな。わたしはあまり展開やトリックやオチを予想するのは得意でも好きでもないのだが、今回は気になった。勝てるネタと言っても、あまりズルいものではない気がするとか、ルールそのものの盲点を突いてハックするほど三雲は柔らか頭じゃないよなとか考えると、答えは「操作キャラ」ではないかなと勝手に予想した。

もう少し詳しく書くと、この戦闘シミュレーション演習は全3日間で、初日は、各人は自分を模したユニットを2体操作している。2日目は、自分を模したユニットを3体操作することがわかった。おそらく最終日の3日目は、自分を模したユニットを「4体」操作することになるだろう。そして重要なポイントとして、この戦闘シミュレーション演習のルールでは、別に自分を模したユニットを操作せよというルールは一切ないのである。でも大半のチームが何となく自分のキャラを自分で操作している。そして主人公は、既にチームリーダーから、戦闘シミュレーション演習を「ひとりで」操作しているチームがあるらしいことを聞かされている。この手のゲームに慣れた人間が「ひとりで」操作すると、情報伝達ミスが減って、かえって強くなることも多い。

これらを踏まえると、最終日に、何となく自分を模したキャラを自分で操作するのは非効率だと、三雲のようなキャラクターだと気づくと思う。各チームはオペレーターを除いて4人で操作するので、三雲が三雲ユニット4体を操作するより、それぞれ適性や得意技の違う諏訪ユニット・隠岐ユニット・三雲ユニット・香取ユニットをグループ化して操作する方が、ゼッタイに強くなると思う。

さて、どうなるかな?

でも、この予想の答えがわかるのはいつになるだろう? 月刊誌で1巻に10話分が掲載されているが、作者はちょいちょい休載を挟むから、早ければ10ヶ月後だが、まあ次巻の発売まで1年以上はかかるだろうなあ。