『トップポイント』2022年11月号

雑誌の紹介

先月から定期購読を始めた「本の要約雑誌」である。

毎月10冊の要約(新刊8冊・ロングセラー2冊)と、6冊のプチ要約(One-Point Review)が載っている。

www.toppoint.jp

掲載された本の一覧

今月の10冊は以下:

  1. アメリカとは何か 自画像と世界観をめぐる相剋 (岩波新書)
  2. オシント新時代 ルポ・情報戦争
  3. 悪党たちの中華帝国(新潮選書)
  4. 経営12カ条 経営者として貫くべきこと (日本経済新聞出版)
  5. 「対話と決断」で成果を生む 話し合いの作法 (PHPビジネス新書)
  6. 運動脳
  7. 解決できない問題を、解決できる問題に変える思考法
  8. マッピング思考―人には見えていないことが見えてくる「メタ論理トレーニング」
  9. 霊と金: スピリチュアル・ビジネスの構造 (新潮新書)
  10. 【新装版】日本人のための宗教原論 あなたを宗教はどう助けてくれるのか

巻末のOne-Point Reviewの6冊は以下:

  1. 続・修身教授録
  2. 生き方の哲学 (朝日新書)
  3. ビジネスエリートになるための 投資家の思考法――The Investor's Thinking
  4. SENSE インターネットの世界は「感覚」に働きかける
  5. 経済安全保障のジレンマ 米中対立で迫られる日本企業の決断
  6. 日本経済の見えない真実 低成長・低金利の「出口」はあるか

毎日新聞取材班『オシント新時代 ルポ・情報戦争』

今月は10冊ほぼ全てに関心を惹かれたが、特に興味深かったのはこれ。

オシント(OSINT=open-source intelligence)とは、公開情報に基づくインテリジェンスという訳語のとおり、誰もがアクセスできる情報を収集して分析する調査手法を指す。これが近年、馬鹿にできないインパクトを持っている。

例えば、ロシア軍による民間人虐殺動画についてロシア国防省は偽物だと主張したが、オシント専門家が商用の衛星画像などを分析して詳細に反証したことで、件の民間人虐殺動画は真実だとされている。また、ビジネスでも活用が進んでおり、日本のIT企業FRONTEO(フロンテオ)は国内外約3億社の公開情報をAIで解析し、サプライチェーンに潜むリスクを分析できるとのこと。株主の解析も可能で、あるノルウェーの化学メーカーを調査した結果、中国政府が隠れ株主として浮かび上がってきたなどの具体的な成果があるそうだ。

マジで気になる。