永瀬ようすけ『生まれる価値のなかった自分がアンナのためにできるいくつかのこと』2〜3巻

生まれる価値のなかった自分がアンナのためにできるいくつかのこと(2) (アクションコミックス(月刊アクション))  生まれる価値のなかった自分がアンナのためにできるいくつかのこと(3) (アクションコミックス(月刊アクション))
以前1巻を読んで、あまりの糞っぷりに絶対続きは買うまいと思ったのだが、完結したそうなので買ってみた。
基本的なストーリーや読後感は1巻の感想に書いたのでそちらを。
少しだけ補足をすると、ジャンルとしてはタイムスリップ・タイムリープに属するSFになる。タイムリープした主人公は、元の時間軸に戻ろうとするとか、タイプリープした先の過去でやるべきことをやるとか、そもそも気づかないとか、幾つかのタイプに分けられるんだけども、この主人公は「タイプリープした先で傍若無人に振る舞う」という最悪なものである。これがコミカルテイストならまだマシなんだけども(例えば1巻だけ読んだのだが『無邪気の楽園』はエロしか考えないギャグ漫画)、本作はシリアステイストで、しかもタイムリープ前の憂さを晴らすために他人を次々と不幸に陥れるという、とにかく最悪の読後感になっている。incubator.hatenablog.com
まあ、この手の糞な主人公+シリアステイストの作品においては、主人公には悲惨なラストが用意されて然るべきだと思うのだが、あえて悪がはびこるラストになるといるストーリもあるだろう。で、本作については、まあ「ほどほど」のラストだったかなあ。中途半端だと思った。しかも主人公に蹂躙された登場人物たちにほとんど何の救いもなく、不快感だけが残った。続き(2巻と3巻)を読む価値は正直なかったなあ。