木尾士目『げんしけん』全9巻

オタクの生態やオタク的コミュニティの実態を世に広めたという意味では、凄く重要な作品だと思う。

わたしは(このブログを読めば明らかなように)結構な数の本や漫画を読み、そこそこのアニメも観ているので、いわゆる「オタク」だと思われがちだが、わたしの考えではそうではない。わたしには、『げんしけん』で描かれているような、同じ趣味を持った人間との社交はなく、その欲求もないからだ。また、二次創作への購入意欲や作成意欲もない。メタ批評や日本社会と絡めた批評もしない。アニメの作り手(監督・脚本・アニメーション会社)や演じ手(声優)への偏愛もない。コミケに参加したこともない。

わたしはあくまでも質の良い作品を大量に読みたいだけなのだ。