インキュベ日記

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田素弘『紛争でしたら八田まで』1巻

紛争でしたら八田まで(1) (モーニング KC)

紛争でしたら八田まで(1) (モーニング KC)

  • 作者:田 素弘
  • 発売日: 2020/03/23
  • メディア: コミック
主人公は「地政学リスクコンサルタント」という謎の職業を名乗る若い日本人女性。

いや、今「謎の」と書いたけどわたしは職業柄ちょっとだけわかるんだけどね。リスクコンサルタントと呼ばれる生き物は、ものすごーく乱暴に分けると、大体3種類ぐらいに大別されるような気がする。一つ目が、金融工学や管理会計の知識を活用した金融リスク・ファイナンスリスクの専門家。二つ目が、情報セキュリティや内部統制に係る専門家。ハッカーの不正侵入に対処したり(サイバーリスクと言う)メールの解析したり(フォレンジックと言う)とかも広い意味ではこの人たちである。そして3つ目は、いわゆるインテリジェンスと呼ばれる分野で、地政学リスクの調査だの紛争解決だの犯罪対策だの企業の不正調査に係るスパイ活動だのみたいなことをやったりする専門家。マネーロンダリング対策とかは今AMLと呼ばれて2つ目と3つ目の中間みたいな領域だし、細かく言い出すとキリがない上、乱暴すぎて専門家に怒られそうだけど、まあ大体こんな感じの人たちがいますと。

で、主人公は完全に3つ目の領域の専門家である。体を張って、現地で紛争解決や、紛争まで行かずとも荒事対応なんかをやったりする。

まああんまり難しいことを考えずとも、要は若くて尖った女性版の『MASTERキートン』とか『パイナップルARMY』みたいな作品が読めると思ったら良いかもしれない。

個人的には大好物のジャンルで、ぜひ長く描き続けてもらいたい。