眉月じゅん『九龍ジェネリックロマンス』1〜3巻

『恋は雨上がりのように』でブレイクした漫画家の最新作。

『恋は雨上がりのように』はおじさんと女子高生の恋愛モノみたいな感じで、それを性欲で語るのではなく、純愛と保護者愛の葛藤みたいな感じで描いているのがどうしても受け入れられず、早々に挫折してしまった。でも本作は楽しく読んでいる。

九龍はもちろん香港の九龍城砦きゅうりゅうじょうさいのことだ。わたしは九龍城クーロンじょうと読むのが雰囲気が出てて好きだ。はっきりとは覚えていないが、昔のドラマだか漫画だかでそう発音されていたんだろうな。

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九龍城は建物が増築に次ぐ増築で訳わからない迷路のようなスラム街になっていたのだが、そこで不動産屋として働く男性主人公(先輩)とヒロイン(後輩)を中心とした、何だろ、ラブストーリーというかサスペンスというか、とにかく日常性とミステリアスな感じが両立した独特の雰囲気だ。ヒロインはごく最近を覗いた自分の記憶を失っており、しかも失ったことに気づくのすら物語が始まってしばらく経ってからである。で、どうやら男性主人公はヒロインの記憶を失う前のことを知っているらしい……と、そういう設定。

3巻まで進んでも正直お話がどう転ぶかはよくわからない。けど何とも言えない面白さはある。