魚豊『チ。―地球の運動について―』1巻

Amazonのランキングをチェックしていると本作の単話がよくランキングされており、何となく気になっていた作品。

タイトルの「チ」は地球のチだろうか、それとも地動説のチだろうか。いずれにせよ作品で描かれているのは、中世ヨーロッパを舞台とした地動説・天動説のアレヤコレヤである。ガリレオ・ガリレイが異端審問(宗教裁判)の場で「それでも地球は動いている」とつぶやいたそうだが、神が作った地球を中心に物事が動いていると教会が大層イキって科学者や思想家を虐待・殺害して回ったアレである。わたしのような不届き者の感覚では、そもそも空ではなく地球が動いていたぐらいで神の存在や信仰が揺らぐなら、その教義体系がおかしいのだが、彼らは彼らなりに非常に切実に、真実から目を背けていたのだろうね。

どう展開するのかなぁと思いながら読んでいたのだが、1巻ラストで意外な展開。2巻どうなるんだろう。先が読めない。