インキュベ日記

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泰三子『ハコヅメ〜交番女子の逆襲〜』17〜18巻、『ハコヅメ〜交番女子の逆襲別章 アンボックス』

たまらんな。

お仕事あるある漫画のK点超えである。

労働基準法なんて存在しない超過労働と階級社会の警察官というお仕事だし、わたしは基本的に権力というものがどうも好きになれないのだが(そもそも好きな人は多くないだろう)、一人ひとりの警察官の方々は本当に真面目に働いていらっしゃるのだと思う。これまで(働いていたからなのか)お巡りさんが家に来たことなどなかったが、上野に引っ越して以来、リモートだからということもあって、もう3回も、家に来ている。20代と思われる男性だが、住所や名前が合っているかの名簿を作り、不安なことやトラブルがないか、笑顔を絶やさず、丁寧に聞いてくる。玄関先で喋っているのを見たこともある。飯を食いに出かけたときに見かけたのだが、食い終わって帰宅するときにも同じ家で喋っていた。頭の下がる思いだ。

どこの国だったか忘れたが、ある国では、警察官は地域の尊敬の対象なのだそうだ。地域の皆が警察官を名前で親しげに呼び、警察官もそれに答える。決して高給取りというわけではないが、地域の顔で、象徴だ。地域とか共同体といったコミュニティが実質的に存在しない日本の都心部では、必然、そういう「顔役」という存在もいない。いや、いるのかもしれないが、わたしには関係のない存在だ。

わたしは本作を読むことで、警察官の仕事に触れ、笑いながらも、尊敬の念をほぼ初めて抱くようになっている。

17巻と18巻は実に象徴的な巻で、しかもアンボックスと合わせて読むと、本当に身につまされる。これで泣かない奴おらんやろ。

ネタバレしたくないから詳しくは書かないが、この作品はほんと貴重。読んでほしい。テレビドラマ化もされたらしいが、まずは漫画を読んでほしい。