真造圭伍『ひらやすみ』1〜2巻

「平屋に住んでいる」と「ひたすら休んでいる」のダブルミーニングだろうか。

一時期は俳優を目指していたものの、その道を諦め、釣り堀でアルバイトしたりしながらのんびり暮らしている青年。たまたま知り合った近所の婆さんは、その青年のただただ純粋な優しさに心惹かれ、せめて古くなった家を彼に遺したいと思うようになる。そして昇天。青年は家の心配だけはなくなったわけだが、依然として宙ぶらりんな生活を送っている中、いとこの少女が芸大に通うために主人公のもとに居候するようになる――というのがアウトラインだろうか。

主人公の友達、家の管理会社のスタッフ(女性)など、主人公や妹だけでなく、皆が自分の環境や人生に思うところあるものの、不器用で、勇気が出ない。

巧い作品だなと思う。

もっと面白くなりそうだな。