人が良いだけで世渡りが下手かつ将来の夢もない青年と(だけど人が良すぎて知り合った婆さんに古い一軒家を譲ってもらったから世渡りも上手いのか?)、美大に入ったけど上手く大学に溶け込めていない青年の妹、青年の(婆さんに譲ってもらった)家の担当の不動産屋で働く女性を中心とした群像劇。
青春というほどキラキラもしていないが、みんな不幸なわけでもなく、でも何となくの日々の疲れや焦燥感や諦念はある。そしてみんな良い人たちである。つまり現実の青春って「この程度」だよなと考えるとリアルな気もして、面白いんだけど、嬉しいような哀しいような、何とも言えない読後感である。
続きが気になる。