金城宗幸+ノ村優介『ブルーロック』1〜22巻

サッカーとは点を取るスポーツだから、FWが強くなければ勝てない。そしてFWは点を取るという最後の役割のために最もエゴイストでなければならないのに、日本サッカーは11人で戦うとかチームワークが大事とかボールは友達といった話ばかりをして、エゴを育ててこなかった。だから16歳から18歳までだったかな、まだ可能性のあるFWを全国から100人集め、その中で徹底的にエゴを鍛え育てる。そして最終的に残った一人を世界一のFWとして売り出す。その他の人間は二度と日本代表にはなれない――とまあ、そういう設定。FWだけを100人集め、しかもエゴイストなFWだけを徹底的に育てるという出オチ的な話が面白いのだが、その育成方法や選抜方法自体もなかなかユニークで、出オチの連続で20巻以上経ってもまだそれなりに鮮度がある。

と言っても、当初は100人の中からたった1人のFWを選ぶという話だった筈だが、何かもう勝手にFWを止めてDFやGKやMFで生き残ろうとしている人がいて、別にそれが止められているわけでもない。またFW自体も何人もが海外の一流クラブからオファーを受けており、仮に日本代表になれなくても十分に生きていけるよなと。

細かい矛盾が気になるけれど、まあ出オチのインパクトありきの漫画だから、これで良いのかも。

元々アニメで観て「面白いやん」と漫画を買ったのだが、いざ漫画で全部読んだら、今さらアニメを見る気も起こらず、アニメは途中で止まっている。