『STEINS;GATE コンプリート Blu-ray BOX スタンダードエディション』

STEINS;GATE コンプリート Blu-ray BOX スタンダードエディション

STEINS;GATE コンプリート Blu-ray BOX スタンダードエディション

『STEINS;GATE 0(シュタインズ・ゲートゼロ)』のアニメ放送が始まり、ちょっと見たところサイコーだったので、見ていなかったアニメ版のシュタゲも観てみることに。

シュタゲはゲームだのCDだのアニメだのメディアミックス戦略全開だが、原作であるゲーム版のシュタゲとシュタゲゼロ、それからこのコンプリート Blu-ray BOXを観れば差し当たり問題ないだろう。このBlu-ray BOXには、TVアニメ『STEINS;GATE』全24話、TVシリーズ24話の後の物語を描いた未放送エピソード『横行跋扈のポリオマニア』、『劇場版 STEINS;GATE 負荷領域のデジャヴ』、『STEINS;GATE 0』へと繋がるエピソード・23話改変版『境界面上のミッシングリンク』(いわゆる23話β)が収録されており、あまり特典には興味のないわたしのようなファンにとって過不足のないコンテンツである。

まずTVシリーズの全24話、これはゲームで言うトゥルーエンド以外のエンディングを観られないのは残念だが、そこにさえ目をつぶれば非常に見応えのあるもので、逆に何故ゲームだけやって満足していたのかと後悔してしまうほどの出来である。正直、何度泣いてしまったかわからないほどである。

次に未放送エピソードである『横行跋扈のポリオマニア』だが、そもそもこんなものがあることすら知らなかった。シュタインズ・ゲートに見事辿り着いた後のラボメンを描いたエピソードなのだが、初期のおバカな岡部が全開で、とはいえシリアスな面もありつつ、非常に楽しめた。クリスティーナが超ツンデレなのも良い。

続いて『劇場版 STEINS;GATE 負荷領域のデジャヴ』だが、これは時系列的にはトゥルーエンドの1年後の夏だったかな、だから『横行跋扈のポリオマニア』の後のエピソードになるはず。見事シュタインズ・ゲートに辿り着いた岡部だが、そのために何度も世界線を超えてきたことで、岡部の脳には大きな負荷がかかってしまっていた……というプロローグ。この手の劇場版は得てして総集編になるのだが、総集編ではなく新作で、しかもちゃんと面白くなっている。

そして最後に『境界面上のミッシングリンク』(23話β)だが、テレビ放送された本来の23話のタイトルは「境界面上のシュタインズゲート」である。岡部が失敗を乗り越えてオペレーション・スクルドを実行し、シュタインズ・ゲートに辿り着くための肝となるエピソードで、ゲームでもアニメでも、正直もう何回泣いたかわからないほどの神回である。一方、この23話βは、ゲームで言う「まゆりエンド」に繋がるものだ。詳しくは書かないが、シュタインズ・ゲートに辿り着くための条件が揃っておらず、まゆりを助けるが、紅莉栖は助けられなかったという世界線だ。

ちなみに言うと、『STEINS;GATE 0』は、この「まゆりエンド」の後が描かれる。まゆりを助けるという目的は達成したものの、紅莉栖を助けられなかったという挫折経験により、岡部は大きく傷ついてしまう。しかしもう岡部は疲れ切っており、まゆりがまた死んでしまうかもしれないというリスクを取って紅莉栖を助けるために世界線を変動させるという決断はどうしてもできず、失意と消沈の日々を送る……というプロローグである。ゲームをプレイした人間はこの辺のストーリーがよくわかるのだが、アニメ版しか観ていない人は(元々アニメ版はトゥルーエンドを描いたものであるため)まゆりエンドをあまり知らない。そのため、アニメファンが『STEINS;GATE 0』の世界観にスムーズに入れるよう、作られた特別エピソードのようだ。

はてなブログの予約投稿機能を使っている関係上、これを書いているのは6月なのだが、もうね、とにかく『STEINS;GATE 0』は面白い。『STEINS;GATE』と同じく、当初は展開に乏しく、ただただ陰鬱な幕開けなのだが、逆に言うと不穏な幕開けとも言える。そして7話でストーリーが大きく転換する。そして8話が神回なのである(書きたいが、このBlu-ray BOXの範疇ではないので別の機会に書こう)。このエントリーが公開されるのは10月になるはずだが、どんな展開になっているか、今から楽しみだ。