原題は『I Used to Be Famous』。
20年前、男性アイドルグループとして一斉を風靡した主人公も、今は食べるものにも困る有様で、バーやライブハウスでライブをやることすらできない状態。そんな中、町の広場で練習していたら、勝手に自分の音楽に合わせてリズムを刻んでくる若者が……しかもめちゃくちゃドラミングのセンスがある。主人公はその若者の才能に惚れ込み、友達になろうとするが、彼は自閉症で、特別なサポートを必要として、そのために彼の母親は彼に対してかなり過保護に接していて――というプロローグ。
まあ展開・結末ともに概ね読めてしまうわけだが、それでもなお、悪くはなかった。純粋で前向きな気持になれる佳品。