- 作者: 古屋兎丸
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2019/06/28
- メディア: Kindle版
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なぜ明仁天皇という言い方になっているのかはよくわかっていない。
古屋兎丸という漫画家は、元美術教師で、ぶっ飛んだ作品を多く発表する一方、高い画力を活かしたこの手の「お仕事に徹した作品」もたまに書いている。古屋兎丸らしさはゼロだが、読んでいて素直に「巧いなー」と想う。
なぜ明仁天皇という言い方になっているのかはよくわかっていない。
古屋兎丸という漫画家は、元美術教師で、ぶっ飛んだ作品を多く発表する一方、高い画力を活かしたこの手の「お仕事に徹した作品」もたまに書いている。古屋兎丸らしさはゼロだが、読んでいて素直に「巧いなー」と想う。
わたしは天皇制について賛成も反対もしないが、天皇や皇室という存在が「恵まれている」「特権階級である」と思ったことはおそらく一度もない。
大変すぎるだろう。
戸籍すらなく、人権もない。好きに生きることもできない。結婚して皇室を出る女性ですら、結婚相手を好きに決めることができない。
誤解なきよう補足すれば、わたしは「眞子様と小室圭は結婚すべきなのに、できなくて可哀想だ」と言っているわけではない。事実を述べているだけである。ちなみにわたしは、小室圭やその家族の醜聞を望ましいことだとは思わない。それはそうだろう、仮に当事者に愛があっても、皇室を利用して自分たちの借金を返そうとする、金銭欲や名誉欲にまみれた人間を好ましいとは思わないだろう。しかし仮にどのような事情があったとしても、結婚というものは自分の意志でするものである。よく「結婚というものは自分の意志だけでは出来ない」と嘯く人間がいるが、それは嘘だ。親や周囲の反対を押し切って結婚すると、結婚式で格好がつかなかったり、育児や金銭のサポートが受けられなかったりと、まあ大変なことは確かである。しかし誰が賛成しようと、あるいは反対しようと、結婚そのものは結婚する当事者2人が役所に書類を提出すれば良いだけなのである。
もっと言おう。普通の人間には、誤った意思決定をする権利があるのである。
天皇や皇室の方々には、それがない。
象徴だからである。
誤った意思決定で身を持ち崩した象徴がいてはならないからである。
不自由だよね。
3巻や4巻では、まさに昭和天皇が結婚相手を決めるという話が色々と出ていて、他人が口を突っ込むわけです。で、他人が決めたお嫁さん候補に対して、昭和天皇がその気になった後、また周囲が色々なことを言い出して破断にしようとする。そのことに昭和天皇は否を唱え、この人と結婚するんだと主張する。そもそも今と違って昔は自由恋愛が少なく、お見合い中心の結婚相手探しだったと聞く。しかし、これが「美談」になってしまうのである。相当に不自由な人生だ。
中学生の頃から表現に取り憑かれていた、まさに私は表現をするために生まれてきた女なんですみたいな主人公がいきなり出てきて、その人が脚本を担当。友達からつまらないと言われて落ち込んでいたものの一瞬で持ち直し、技術的には粗いのだが、先輩を前にして早くも「自分に書かせろ」の一点張りの、屈託がゼロのキャラクターになってしまった。そして演劇部には、演じた瞬間空気が変わって世界が変わるような絶世の才能を持った先輩演者がいると。
高校1年生や2年生がそこまで自我・自己を客観視し、ついては「表現」を客観視できるものだろうか。正直、違和感しかない。2巻、どうしようかな。
この作品は考えさせられるな。
さて、6巻は何とわたしの嫌いな過去回想編に突入。わたしは基本的に過去の回想が嫌いだ。連載の引き伸ばしとしか思えない。もうひとつ嫌いなのが、どうでも良いキャラに対する掘り下げ。両者を非常に凶悪な形でやってのけるのが例えばワンピースだ。わたしはワンピースを10年以上読んでいない。
ただ本作においては過去回想編は基本的に成功している。けっこうグッと来た。
主人公はお世辞にも魅力的な人間ではない。積極的に他人から搾取するようなタイプのクズではないのだが、もう、ここまで卑屈で良いのかってぐらい卑屈で、こうなっちゃうと相手がどう出ても本人の耳には入らない。
そして本書を読んでわかったのが、この手の卑屈な人間というのは単に自分に自信がないだけでなく、心のどこかで「自分の理想とは違う何か」を他人や社会のせいにしているという点だ。自分は底辺の人間で、自分が底辺なのは何をしても上手く行かない最低な環境で生活せざるを得ないためであり、自分が最低な環境にいるのは他人や社会の責任である、と考えている。そして他人に強く嫉妬する。しかも嫉妬の対象は、恵まれた環境にいる人だけでなく、恵まれない環境を苦にせず頑張っている人や、恵まれない自分を気にかけてくれる人や、自分の境遇を特に気にせず付き合おうとしてくれる人にも及ぶ。
要するに、「良い人」「頑張る人」も嫉妬の対象なのだ。自分が「良い人」や「頑張る人」になれないのは他人や社会の責任だから、という先程のロジックが繰り返されるからである。
主人公の卑屈なマインドは相当根深く、同級生や妹や社長が何度も言い聞かせて少しずつ改善に向かうのだが、傷口がむき出しになっているようなもので、ちょっとしたこと(本人はちょっとしたことではないと思っている)で容易く傷つき、元の卑屈さ全開の人間に戻るのである。
Amazonがレコメンドしてくるのでたまたま買ったのだが、何というか、目が離せない。どこに向かうのかな。
CITY HUNTER外伝 伊集院隼人氏の平穏ならぬ日常 1巻
「続編」と「スピンオフ」である。
キン肉マンのような、終わってからもう10年以上経った作品を取り出してキン肉マンⅡ世という作品を生み出し、今度はキン肉マンそのものの続きを描く。
そして人気のある作品は、作家個人ではなくコンテンツとして、多くのスピンオフを作り出す。最近では『からかい上手の高木さん』が代表例だが、『ゴブリンスレイヤー』も作りまくってるし、最近では『幼女戦記食堂』まで作られたし、もうスピンオフ業界はゴールドラッシュのような賑わいである。
本作も、ファルコンという人気キャラクターの「喫茶店のマスター」としての側面に光を当てたスピンオフで、絵柄が微妙に違和感あるものの、まあまあ面白く読める。
原作の絵柄の再現度が高く、本当にシティーハンターの世界に紛れ込んだ気がしないでもない。
当初は、シティーハンターのストーリーを、主人公がワーキャー言いながら間近で体験するという程度の関与だったが、まあ転生しただけでなくシティーハンターにとっての主要キャラになっちゃったので、色々と辻褄が合わずオリジナルのシティーハンターとは違う展開が生まれ始めている。この辺、原作とどこまで距離を置くかみたいなのが、ファンとしての腕の見せ所というか何というか。
今のところ面白いので、引き際を間違えず、すっきり終わってほしいなあ。
私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い! 15巻 (デジタル版ガンガンコミックスONLINE)
わたモテはこれを逆手に取って、クズ人間のぼっち生活を自虐的に描き、そして今は何故かクズ人間なのに一周回って色々な友達ができてしまうという逆説的なノリを描いている。この展開はもう飽きた、あるいはリアルじゃない、というAmazonのレビューも見かけたが、わたしはそうは思わない。
ただただ面白い!
個人的には、加藤さんが凄すぎて気になる。(読んでる人だけわかるネタ)
以前の感想にも書いたが、個人的にはジャンプらしい漫画としてけっこう注目中。やや展開が早い気もするが、今後どうなるんだろうか。
BLUE GIANT SUPREME(8) (ビッグコミックススペシャル)
それだけ強烈な読書体験ができたという意味では、ある意味「名作」として感謝すべきなのかもしれないが。
けどまあ本作を素直に読めば、それはそれで「面白い」としか言いようがない。メンバー間の絆もかなり深まってきたし、そろそろ次の大きな山場があるような気がする。
『WOMBS』や『ラフナス』は遠未来だったけれど本作は近未来で、大阪の環状線にお化け的なアレが出るという伝記的なモチーフで作品が展開されるが、いわゆるホラー・スプラッタ的な要素はゼロで、やはりジャンルとしては伝記SFになるだろう。ミステリ要素を含んでいるそうだが、なかなか先が読めないという意味ではそうなのかな。
続きが非常に楽しみな作品のひとつ。早く3巻出ないかな。
「北朝鮮は子供のおままごとだよね」と特定の国をやり玉に挙げて強烈な風刺を展開しているわけではないが、パロディというか思考実験としては素直に面白く、ミャオ将軍の口癖が「粛清」で、側近はひたすら腹筋やトイレ掃除に勤しむ流れなどは何度読んでも思わず笑ってしまう。
かなりツボなので、早く2巻が読みたい。
ゴブリンスレイヤー 6巻 (デジタル版ビッグガンガンコミックス)
ゴブリンスレイヤー 7巻 (デジタル版ビッグガンガンコミックス)
個人的に違和感があるというだけでなく、作画の人も、この手の日常コメディーよりはアクションの方が明らかに巧いというか描き慣れているというか。
まあそんな個人的な感想をよそに、主人公は「ゴブリンが静かすぎる」ことをかなり気にしており、これはもう伏線としか思えない。「嵐の前の静けさ」というか、8巻ではゴブリンが街で暴れるんじゃないかなと。大乱戦になりそうだ。
面白い。
面白いんだけど、何となく煮え切らない。
北条司の作品はどれがオススメかと問われたら、やはり長くても『エンジェル・ハート』を読んで号泣してくれと言わざるを得ない。
Wikipediaを読むとその辺の経緯も詳しく書かれているのだfが、アンケート至上主義のジャンプの運営方法には、やはり功罪があるということだろうなあ。