岡田節人+南伸坊『生物学個人授業』

本書は、まず生物学の世界的な権威である岡田節人ときんどが南伸坊に生物学の講義を行い、次に(生物学の知識とは無縁な)南伸坊が自分の理解した範囲で原稿を書き起こし、その上で岡田節人の解説や補講で南伸坊の文章を補強する、という構成になっている。生物学と無縁な南伸坊は複雑で専門的な原稿を書き起こすことはできないため、易しい文章で生物学のことを学べる本が自然とできあがる、というわけである。つまり本書のポイントは南伸坊の素人性にあると言えるだろう。専門用語の類はほとんど使われていないので、こういった分野に興味のある方は理科アレルギーの人も面白く読めると思う。