鷲田清一はファッション論や身体論で有名な哲学者である。そこそこ本も売れているみたいだし、入試問題なんかでも見かける。「ファッション考現学」と銘打たれた本書では、自分と服・メイク・街の関係といったファッションにおける様々な問題が誠実に考察されていくが、難解な哲学書ではない。あまり複雑に論理を積み重ねているような重い本ではなく、エッセイレベルの軽いタッチの本だ。帯のコピーを読むと本書の性格をイメージ豊かに掴むことができるかもしれない。
アカデミックで、かつポップで。さあ、てつがく者と一緒に、ファッションの謎の王国を闊歩しよう。
まちを歩いてみよう。あたらしいものがみつかるかもしれない。まちを歩いてみよう。ふるいもののよさがわかるかもしれない。まちを歩いてみよう。ちょっといい「自分」にであうかもしれない。
まちって不思議だ。
なかなか良いキャッチコピーだ。
それにしても、ファッションを哲学するというのは面白い試みだなあ。言われてみたら確かにファッションと哲学には似ているところがあると思える。