石原清貴+沢田としき『「算数」を探しに行こう!』

本書には「式」や「計算」のしくみがわかる五つの物語、という副題がついている。算数嫌いな子どもに、物語を読みながら楽しく算数の概念を学ばせたい――こんな意図で小学校教師が作った教材を書籍用に編集したものが本書である。「かけ算」や「比例」など、もちろん俺には既知の事柄ばかりだが、物語としてはなかなか楽しめる。算数が嫌いだったり苦手だったりする子どもが実際に物語を使って学習することで算数をより理解できるようになるかどうかは俺にはわからない。でも面白い試みだとは思うし、実際、一部で広がっている試みなのだそうだ。

ちなみに、本書の物語は全て本当に起こった事柄そのものではなく、このようなことが起こったのだろうな、という想像の物語である。