荒俣宏『性愛人類史観 エロトポリス』

性愛人類史観 エロトポリス―荒俣宏COLLECTION2 (集英社文庫)

性愛人類史観 エロトポリス―荒俣宏COLLECTION2 (集英社文庫)

20世紀前半のアメリカのピンナップアートを山のように集め、「ポルノとアートの違いは何か」「ポルノグラフィとピンナップの違いは何か」「セックスと文化の関係性」「神とセックスの関係性」などと思いを馳せる奇人アラマタ。本書にはアラマタの「こだわり」が徹底的に発揮されると共に、アラマタの集めたピンナップがカラー図版でたっぷりと紹介されている。いやはや、確かにピンナップとプレイボーイのヌードは似ているようで非なるものである(もちろん現代日本に数多あるエロ本の裸とも異なる!)。これはアラマタの解説とカラー図版の両方を目の当たりにしなければ実感できまい。必読。
ちなみに、読書記録は本書で1000冊目。めでたいことである。俺も「エキセントリック」を標榜するアラマタの高みへ少しでも近づいただろうか。