村上春樹+吉本由美+都築響一『東京するめクラブ 地球のはぐれ方』

東京するめクラブ 地球のはぐれ方

東京するめクラブ 地球のはぐれ方

名古屋・熱海・ハワイ・江ノ島・サハリン・清里を、3人で訪れ、あれやこれやと紹介したり座談会したり、という本だが、こじつけに近い扱き下ろしも含め、かなり好き勝手なことを言っている。愛とユーモアが裏にあるとはいえ、一歩間違えれば、「よそもんの都会人」が好き勝手なことを言っている――という構図に陥りかねず、実際「スレスレ」どころか「それは明らかにアウトだろう」という箇所もある。
村上春樹以外の文章は個人的に「可もなく不可もなく」という感じで、それほど惹かれなかった。正直に言えば村上春樹が1人で書いた方が面白いような気もするが、それは単に俺が村上ファン(特に村上春樹の旅行記や探訪記のファン)だからかもしれない。独特の面白味はあるが、いずれにせよ、小品ですな。