ゆうきまさみ『機動警察パトレイバー[文庫版]』6巻

機動警察パトレイバー (6) (小学館文庫)

機動警察パトレイバー (6) (小学館文庫)

低俗をウリにしているスキャンダル雑誌が、警察への篠原重工製パトレイバーの導入に係る、警察の汚職構造を明らかにしようとする記事を連載する。第一小隊の面々は「大人」なので、そんな記事には眉一つ動かさないが、(良くも悪くも)若さ故の純粋さや繊細さを持っている第二小隊の面々は、この種の記事にショックを受ける。特に泉野明と並ぶ主人公格の篠原遊馬は、今回ヤリ玉に挙げられている篠原重工の社長の息子である。気にしていないと振る舞おうとするあまり、どんどん空回りをしていく。
6巻から8巻にかけての警察の贈収賄疑惑に係るエピソードが、俺は漫画版の中で最も好きである。これはアニメ版には無いエピソードだし、意外にお調子者の印象の強いアニメ版の篠原遊馬と、冷めた印象の強い漫画版の篠原遊馬の違いは、このエピソードで最も楽しめるように思えるからだ。