岩田昭男『電子マネー戦争 Suica一人勝ちの秘密』

「魔法のカードの開発秘話と成功の軌跡」という副題が付いているように、Suicaのビジネスが立ち上がり受け入れられていくまで、そしてSuicaがさらにそのカバー範囲を広げていく過程が描かれている。基本的にはSuicaマンセー(古い?)であるが、色々な裏話もあって、興味のある方には面白いと思う。
著者はSuicaのビジネス展開を色々と褒めちぎっているが、Suicaの端末は、月々数千円のリース代とISDN回線があれば、まあ何とか使えるらしい。めっちゃ安いのに、まだまだスーパーや百貨店や商店街に浸透していないのはなぜだろう。例えば、地区のスーパーや商店街全体をSuicaでプロデュースしたらどうなるだろうか? 普段あまり電車に乗らずSuicaも持っていないオバチャンたちに、Suicaブランドを強烈にアピールし、今までとは異なる客層にSuicaを持たせることができる。そうすれば、Suicaベースのポイントサービスといった新たなサービスを付加してスーパーとさらなるタイアップビジネスを展開する、といったこともできるような気がするんだけど。ハードとしてのSuicaのメリットは疑う余地もないけれど、使い方や広め方は、もっともっと俺らが便利に暮らせる黄金のシナリオがザクザク眠っているような気がしてならない。
ICOCAPiTaPaの紹介もちょっとだけあります。