- 作者: 細野不二彦
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 1994/02
- メディア: コミック
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この巻には以下のエピソードが収録されている。
ART.1 驕れる円空
ART.2 質屋とマティス
ART.3 モンパルナスの“秘宝”
ART.4 アレゴリー(寓意)のある風景
ART.5 海底に眠る夢
ART.6 浮世絵の魔力
ART.7 林檎を持つ女神(ヴィーナス)(前編)
林檎を持つ女神(ヴィーナス)(後編)
ART.8 国宝の守り人
どのエピソードも魅力的なのだが、俺は表題作「林檎を持つ女神(ヴィーナス)」が特に好きだ。フジタはミロのヴィーナスを芸術としては「二級品」だと断ずるが、ではミロのヴィーナスは何故ここまで人を魅了してやまないのか。三田村館長との関係性も含めて非常に面白いエピソードである。「驕れる円空」も面白い。円空の生まれ変わりだという男が登場するのだが、ソイツの考え方がなかなか興味深いのである。
なお、隻眼のトレジャーハンターにしてフジタの腐れ縁であるラモスや、独自の正義感から重要な文化財を片っ端から国宝指定して国で召し上げる通称国宝Gメンの知念護人といった主要キャラは、この巻で初登場する。このラモスというキャラクターは『ギャラリーフェイク』の魅力的なキャラクターたちの中でも特に好きな人物である。フジタと似た者同士というか、がめついのに憎めない。