
- 作者: 細野不二彦
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 1999/06
- メディア: コミック
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この巻には以下のエピソードが収録されている。
ART.1 わたしを宇宙へ連れていって
ART.2 花と器(前編)
花と器(後編)
ART.3 革命に死す
ART.4 草原のブッダ
ART.5 黒い画商たち
ART.6 かくも長き不在
ART.7 生贄
ART.8 この胸にときめきを
表題作「花と器」が面白い。例によって地蔵に突っかかるフジタは、話の流れから、地蔵の家に代々伝わる牧谿(もっけい)の掛け物を賭けて勝負することになる。フジタが負けても差し出すものはないようだが、まあそれはそれ、プライドを賭けての勝負である。フジタは、向日葵(ヒマワリ)を生けることにする。そして日本史上最も初めに花を生けたのはいつの時代の人々だっただろうか、という仮説から器の準備に入る。一方、地蔵の方は、地蔵の下で働く使用人の黒川に勝負を任せる。黒川は、命を懸ける覚悟で地蔵の代理に名乗り出たのだから、“茶聖”利休の故事にならい、朝顔を生けることを決意する――というアウトライン。お互いの気迫が見える、非常に刺激的な話。